携帯小説!(PC版)

毒蜘蛛

[201]  カズ  2008-06-20投稿
ついぞ知らない
通り雨の境界線

重なる筈の言葉が
互いに譲り合って
易々と帰ってしまった

私と机を照らす灯りさえ
今はよそよそしく視線を落とす


こんな風に穏やかな気持ちのうちに
愛の詩はやってこない


耳元で悪魔が囁いても
小鳥の囀ずりぐらいにしか聞こえないだろう

魂の淵を見ても
涙さえ出なかった


幻想に群がる
甘い蜜の餌食

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