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Disaster(9)

[445]  けん  2008-06-23投稿
あれから2週間が過ぎた。
この2週間は体内のナノウイルスを使っての闘い方を訓練していた。
ただ桑原さんが言うにはナノウイルスによって何が出来るようになるのかは個人差があるらしくて俺の使える力はマヤのそれとは全く異なるものだった。

………………
「ふう…今日も疲れた」
そうぼやきながら一人の男性が歩を進めていた。
男はしっかりした服装ではないもののくたびれたかのようなスーツを羽織り人の賑わう駅前を離れ静かな住宅街を歩いていた。
(こちら真…標的は松村孝雄。この男で間違いないか?)
ピッ… ガガッ
(確認しました。間違いないわ。パンドラプロジェクト副主任よ)
ピッ…ガガッ
(了解。)
男がちょうど曲がり角を曲がった時に歩行者とぶつかった。
「痛てっ…あぁ…すみません。」
手にしたバックを落としてしまう。
「いぇ…こちらこそ申し訳ない。」
そういってぶつかった相手は道に落ちたバックを拾い持ち主に手渡す。
「ぶつかった所で申し訳ないのですが…ちょっとお聞きしてよろしいですか?」
「ん?なんです?道にでも迷いましたか?」
そういいながらバックを受け取る。
「いえ。人を探してるんですが…桑原マヤって女の子を知りませんか?松村さん。」
「なっ!?」
松村と呼ばれた事、桑原マヤの名前、2つの事に男は疑いの眼差しを向ける。
「あんたならどこにいるか知ってんだろ?」
そういいながら松村の肩を掴むと一瞬の光りと共に松村の身体に電流が流れる。
バリバリバリッ!
「ぐあああぁっ!?」
「このくらいじゃ死にはしないよ。で…どこにいる?」
そう言ってもう片方の腕で両肩を掴む。
「し…知らん!」
「あれ?そうなの?」
バリバリバリバリッ!
「うががががっ!」
「知らないんならこのまま消し炭になっとく?」
松村の身体からは白い煙りが立ち上がり始めた。
「まっ待ってくれ…本当に知らないんだ!今は研究病棟からも離れて訓練施設に移ったんだ!訓練施設の場所までは研究員には知らされない!」
多少喋り方がぎこちなくなりながらも懸命に弁解する松村。
「そっか。まぁこんなすぐに見つかるとは思ってなかったからね。いいよ信じる。」
「あ…ああっ!本当だ。嘘じゃない。」
「そのかわり伝言よろしくな」

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