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星の蒼さは 81 第五話 真夜中のナスティ・ボーイ

[520]  金太郎  2008-06-24投稿
「『TheGodOfDay』の攻撃を受けた?ニューヨークが!?」

「はい、被害の詳細はまだですが東京事変並みの被害が出たとも……」

仮眠をとっていた滝川を起こした荒木からの報告は数日寝ていない頭を一瞬で覚醒させるのに十分だった。

『エリア0』が大騒ぎになったのは言うまでもない。[パラソル]に守られているはずの地球が再び太陽神の裁きを受けたのだ。

「アメリカ政府は!?」

「まだ何も……」

無理もない。ニューヨークの地下にあるこの[エリア0]でさえ、全く状況を把握していないのだから。

「基地の最高責任者は誰だったかしら?」

「エヴァンス中将ですが……」

「急いでニューヨークの警備を固めるように言いに行くわ」

滝川は走りだした。

「艦長!?」

「東京事変と同じ。月は『裁き』を下したあと、すぐに大部隊を突入させて一気に制圧する戦法をとるに違いないわ」

開戦直後に東京を滅ぼした『TheGodOfDay』は状況把握に集まってきた日本軍を一気に叩いた。
今回も狙いは同じのはず。基地の部隊と、ニューヨーク郊外の残存部隊を併せて挟撃すれば、ニューヨークに集まってきた月軍を逆に孅滅できる。

滝川は司令室を目指した。






「アポロ様、調子はどうですか?」

WWのモニタ越しにニノミヤが尋ねてきた。
せっかく恍惚感に浸っていたのにと文句を言いたくなったが聞きたい事もある。

「凄く気持ちいいよ……一体どれだけのゴミが死んだんだ?」

「いや、そうじゃなくて、[反逆者(ルシファー)]の様子はどうですかって聞いてんの」

「ダメだろうがなんだろうが関係ないんだろ?必要なのは僕の力だ」

「いやいや、[そっち]はそれとして、WWとしてのバトルスペックも半端無いんすから…米軍の反撃も勿論ありますぜ」

やれやれという感じで答えてきたニノミヤも、確かにそうですと目で語り掛けてきた。

「蝿はお前に任せる」

「あぁっと、…んもぅ……ハイハイ……」

アポロは[反逆者(ルシファー)]を起動させた。

細身で華奢だが猛々しい、まるで古代ローマの彫刻を思わせるような黒いWW・ルシファーが唸りを上げて戦艦『キリエル』より飛び立った。

すぐ隣には[SAMURAI]をかたどった日本製のWWである[蟒丸(ウワバミマル)]が寄り添う。


夜のニューヨークに反逆者。

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