おそるべし手塚?
高校生のキモち悪がる視線を
ブラックジャックのメスさばきの如くかわしながら
読み耽っていると、
一人の男が乗車してきた。
その男の顔を見て心臓が止まりそうなほど驚いた。
まさに若かりし頃の手塚治顔。
いや、
手塚治にまじうざいスパイスを加えて数時間煮込んだ顔。
と言った方が的確だ。
とにかくその『手塚』は顔がうざかった。
俺は普段、人の顔で『うざい』とか『嫌い』とか判断はしないが、
手塚だけはゆるせない顔だった。
手塚はクチャクチャガムを噛みながら俺の横に立った。
クチャクチャ音が耳障りだったが気にしないよう
心掛けブラックジャックを読む。
手塚「クチャクチャ・・・」
俺「・・・・」
手塚が横目で俺のブラックジャックを
読んでいるのがビンビン伝わってくる。
俺はあからさまに本の開く幅を狭め、
手塚から見えないようにした。
手塚も俺のあからさまな態度に気付いたのか一旦、目をそらす。
・・・・が!
今度はさらに大胆に俺のブラックジャックを覗きこんできた。
頭に血がのぼってきた。
パァァァ〜ン!
と音を立てて漫画を閉じた。
車内の人間は手塚と俺の方に視線をむける。
手塚の鼻息が荒くなっているのを感じた。
彼も臨戦態勢に入ったらしい。
つづく
ブラックジャックのメスさばきの如くかわしながら
読み耽っていると、
一人の男が乗車してきた。
その男の顔を見て心臓が止まりそうなほど驚いた。
まさに若かりし頃の手塚治顔。
いや、
手塚治にまじうざいスパイスを加えて数時間煮込んだ顔。
と言った方が的確だ。
とにかくその『手塚』は顔がうざかった。
俺は普段、人の顔で『うざい』とか『嫌い』とか判断はしないが、
手塚だけはゆるせない顔だった。
手塚はクチャクチャガムを噛みながら俺の横に立った。
クチャクチャ音が耳障りだったが気にしないよう
心掛けブラックジャックを読む。
手塚「クチャクチャ・・・」
俺「・・・・」
手塚が横目で俺のブラックジャックを
読んでいるのがビンビン伝わってくる。
俺はあからさまに本の開く幅を狭め、
手塚から見えないようにした。
手塚も俺のあからさまな態度に気付いたのか一旦、目をそらす。
・・・・が!
今度はさらに大胆に俺のブラックジャックを覗きこんできた。
頭に血がのぼってきた。
パァァァ〜ン!
と音を立てて漫画を閉じた。
車内の人間は手塚と俺の方に視線をむける。
手塚の鼻息が荒くなっているのを感じた。
彼も臨戦態勢に入ったらしい。
つづく
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