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ワーキング・プアからの脱出 30

[447]  楽園 海風  2008-06-24投稿
無論、メール友達で、それ以上の関係は全くありませんでした。その時、妻は、
「お父さんの事、信用してはだめだよ。」
と、私の息子が言っていると告げました。私は、この瞬間、家を出る決心をしました。妻だけならよかったのですが、味方になってくれると信じていた息子にまで、私を信用していない事を知り、この家にいる必要性を全く感じなくなりました。
翌日、私は不動産仲介業者を巡り、今住んでいるワンルームマンションの契約をしました。
2005年4月27日夜、息子を私の部屋に呼び、話しをしました。日々、誠実に真面目に生きていかなければならない事を息子に訴え掛けました。これは、息子がプロ野球選手を希望していたので、
「努力して、努力して、誰にも負けない努力をして、最後の最後に、プロに成れるか成れないかは、天が決める事であり、その大切な選別の時に、日々の誠実さ、真面目さによって、天が味方をしてくれくれるか、手助けしてくれないかが決まる。日々、誠実に、真面目に過ごしていれば、必ず天は味方してくれる。」
と、助言しました。これは、私の息子に対する置き土産でした。
「プロ野球選手に成ると言う強い気持ちを持ち続けていれば、必ず成れる。そう信じて頑張れ。」
もう一つ、一期一会の話しをしました。
「我々が住んでいる地球は太陽系という恒星系に属し、太陽系は銀河系という星雲系に属している。銀河系には約1千億個の恒星系が在り、大宇宙には約1千億個の星雲系が存在している。その膨大な数の星々の中で、この地球の今という時代に生まれ、お互いに出会う確率はゼロに等しい。だからこそ、奇跡に近いこの出会いを一生に一度と考え、誠心誠意もてなすことを一期一会と言う。お前は日々真剣に生きているか?この言葉をよく噛み締めて、日々大切に生きて行きなさい。」
これが、息子と交わした3年前の会話です。
娘は当時、高校3年生で、私の高校時代より数倍真面目に勉学に取り組んでいましたし、息子より感が鋭い所があり、下手に話しをすると、私が家を出る事を悟られそうで、何も話しませんでした。
愛犬のラブ、雌のビークル犬で9歳になっていましたが、いつものように、朝食前の6時過ぎに、少し長めの散歩に連れて行きました。
家を出る時、家族には聞こえない小声で、
「みんなに可愛がってもらうんだぞ、元気でな。」
と、声を掛けて体を撫でてやりました。
つづく

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