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良子…二股の恋?

[363]  ぐうりんぼ  2008-06-24投稿
「森山と由美はもう、仲直りしているから」

「あの2人が!?」


私の話しに良子は驚いていた。

電話だから相手の表情は分からないけど、喋る口調から、心の動揺が感じ取られる。

良子は言う。

「知らなかった、あの2人が仲直りしていたなんて。雅美は前から2人の事、知っていたの?」

「知っていたよ」

「知ってて何故、教えてくれなかったの?」

「言うべきだった?」

「勿論よ。黙っていた理由を知りたいわね」

「良子がショックを受けたらイケナイだろうと判断したからだよ。
言っちゃあ悪いけど、良子って…、何をしでかすか分からない…って思ったしね」

「なあーんだ、そんな事を気にしていたの?
別に私、ショックなんか受けないし、変な気なんか起こさないわよ」

「でも良子、アンタは森山の恋人になりたがってたじゃない?
結果的には由美に取られたような格好になって、思わず動揺した。
私には、そう感じたよ」

「正直言って、最初は愕然となったけどね」

「でしょう?」

「でも私、今は拓也への思いなんか冷めちゃったから」

「冷めた?」

良子の意外な言葉に私はビックリ!

良子は更に言う。

「あの2人の関係がどうなろうと、私には関係ないし。お好きなように…って吹っ切れた感じだから」

良子は淡々とした口調で自分の思いを聞かせてくれた。

「なるほど。じゃあ…余計な心配は御無用ってワケだね」

「まあね」

「そう、なら安心したよ」

私は表情を明るくした。

「ねえそんな事より、由美の浮気の事だけど…」

「そうそう、忘れてた」

「由美の浮気、拓也は知っているの?」

「多分、森山は知らないと思う」

「それは大変だわ。
拓也、この事を知ったら私以上にショック受けるかもよ」

確かに良子が言った通りである。
由美の浮気なんて、森山は今のところは知らないのだから。

─交際している相手が浮気中で、しかも…色んな男と関係持っている。─
こんな事実を森山は知ってしまったら…、


私は何だか、不安を感じた。


つづく

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