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僕は君の未来を永遠(トワ)に。<41>

[415]  麻呂  2008-06-24投稿
『うん。僕への“お願い”って何だろう?!』


内心、ドキドキしていた――


全く、その内容の見当もつかない“お願い”の話を、やっと今、彼女の口から聞く事が出来るんだ。


『実はね、一昨日のオーディションで、未來が披露した“ひとりあやとり”を、ある女の子に見せてあげて欲しいの。』


『“ひとりあやとり”を?!なんでまた?!』



『その子ね、ある病院に入院中の十歳の女の子なんだけど、来週手術なの‥‥。』



そう言った後、彼女は言葉を詰まらせた。



『手術って‥‥その子、何処が悪いの?!』



『‥‥脳腫瘍なの。』



病名を聞いて、僕は思わず息を呑んだ。


『それで、僕に“ひとりあやとり”でその子を勇気づけて欲しい‥‥と?!』



『うん。早い話がそういう事になるんだけど、あたしが思うのはさ、

未來って何か人を優しい気持ちにさせたり、安心させたりする事の出来る人だと思うんだよね。』



今の言葉がエリカちゃんの本心なのだとすれば、


エリカちゃんは僕と一緒にいると、安心出来るってコトか?!



『そんな言葉を言われて凄く嬉しいけど、僕はそんな大それた人間じゃないよ。
意識的にそうしている訳でもないし‥。
そうありたいとは思ってはいるけどね。』



『だから、未來は今のままの未來でいいの。

一昨日もあたし言ったじゃん。

あたしは好きだよ。未來みたいな不器用なヤツが。』



そんな簡単に“好き”だとかって単語を使わないでくれよ――



思わせぶるのはよして欲しい――



『要は、その来週手術を控えて入院中の十歳の女の子を、僕のキャラで元気づけてやって欲しいと‥‥‥。そういうコトだよね?!』



『うん。そういうコトなの。この“お願い”引き受けてもらえるかな‥‥?!』


そんな真剣な、真っ直ぐな瞳で言われたら――



断れる訳がない――


『分かった。僕のこんなツマラナイ“ひとりあやとり”でよければ、その女の子を勇気づけてあげるよ。』



『本当?!ありがとう未來!!』



彼女の笑顔もきっと――



人を元気にしてくれる何かがあるよね――



そう思いながら僕は――



まだ会わぬ、その女の子のコトを考えていた――

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