Dragon's eye [1ー2]
《獣》は、狼に似ていたが、それにしてはとてつもなく大きかった。誰もが簡単に想像する狼。体の大きさが、それの10倍以上である。その姿を見た瞬間、極寒にも関わらず額から汗が流れ落ちるほどだ。余りの大きさに、気持ち悪いと感じてしまう。それでも、毛並みはきれいに整っていて、白銀のからだに黒い筋状の模様が10本ほど走っていた。しかし、奇妙なことに、少年を凍死させてしまいそうなほどに冷たく睨みつける《獣》の瞳の色が、少年の瞳の色と全く同じなのである。その時はまだ、そのことに少年は気付いてはいなかったが…。
正気に戻った少年が、逃げだそうと右足を後ろに下げたその時だった。《獣》のらしき声がした
『ヨク………キタ………』
吹雪の轟音にも関わらず、《獣》の声はハッキリと聞こえた。聞こえたと言うより、直接頭の中に響く感じである。その証拠に、吹雪の中にうっすら見える《獣》の口元が、全く動いていない。いや、もはや《獣》自体が動いていない感じである。そう。まるで死体のように…。少年は、《獣》が喋った事に一瞬驚いたが、それよりも子供なら誰もが持っている好奇心の方が先に行き、《獣》に話しかけた。
「俺がここに来ることを知っていたのか?」
正気に戻った少年が、逃げだそうと右足を後ろに下げたその時だった。《獣》のらしき声がした
『ヨク………キタ………』
吹雪の轟音にも関わらず、《獣》の声はハッキリと聞こえた。聞こえたと言うより、直接頭の中に響く感じである。その証拠に、吹雪の中にうっすら見える《獣》の口元が、全く動いていない。いや、もはや《獣》自体が動いていない感じである。そう。まるで死体のように…。少年は、《獣》が喋った事に一瞬驚いたが、それよりも子供なら誰もが持っている好奇心の方が先に行き、《獣》に話しかけた。
「俺がここに来ることを知っていたのか?」
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