死体放棄少女・八
優子は、普段着のままで学校の体育館へと向かう。
麻里奈は苦しんでいるんだ。
あのアパートに放棄状態にあった死体は、麻里奈が殺した死体だなんて私思ってないよ。
きっと麻里奈は誘拐されただけだ。そして昨日誘拐犯から逃げ出して私に電話した。
推理をする名探偵のように、優子はぼんやりと考えていた。
麻里奈は苦しんでいるんだ・・・
優子は、また自分の中で囁いた。
結局体育館に来るまでに、男には会わなかった。
「ちゃんと読んでくれたのかな?」
優子は独り言のように呟いた。
別に来なくてもイイけどね・・・。
広い体育館に響く一人だけの足音。
優子はひどく寂しい気持ちになった。
そして、その場にしゃがみ込み、橋本を待った。
その時、もう一つの足音が体育館に響いた。
「麻里奈?」
優子は振り返る。
「やあ。」
そこにいたのは橋本ではなく、頭のボサボサな男だった。
「なんだ・・・手紙ちゃんと読んだんだ。」
橋本ではなかったが、何故か安心した。優子はまたしゃがみ込み、目をつむる。
「優子。麻里奈をまだ待つつもり?」
男は陽気な口調で言う。
「麻里奈に会いたくないの?なら来なきゃよかったのに。」
男は優子の腕を掴み、出口へと連れていこうとした。
「やめてよ。私、麻里奈に会わなきゃいけないんだよ。」
しかし男はやめなかった。
「悪いのは麻里奈だ。優子が関わることじゃない。だから、帰ろう。」
優子はとなる。
「なんでそんなことが言えるの!?麻里奈は私の親友なのに!親友を助けるのは当たり前でしょ?」
「優子は少し優し過ぎる。だから関わっちゃいけないことにも関わっちゃうんだよ。」
優子は男の手を力いっぱい振り切り、体育館の中へと走る。
「麻里奈ばっかり悪く言わないでよ!!」
その時、何か人影が見えた気がした。
「・・・!」
「優子!危ない!!」
男は体育館中に響くような声で叫んだ。
「痛!!」
優子の肩に痛みが走った。
「ああ!」
肩を見ると、血がついていた。
しかし、そんなに痛くない。そもそも優子は怪我なんてしていたかった。
「優子?大丈夫?」
優子は見た。
男の腹に、包丁がぶっすりと刺さっているのを。
優子は声にならない叫びをあげながら、男にへと駆け寄った。
麻里奈は苦しんでいるんだ。
あのアパートに放棄状態にあった死体は、麻里奈が殺した死体だなんて私思ってないよ。
きっと麻里奈は誘拐されただけだ。そして昨日誘拐犯から逃げ出して私に電話した。
推理をする名探偵のように、優子はぼんやりと考えていた。
麻里奈は苦しんでいるんだ・・・
優子は、また自分の中で囁いた。
結局体育館に来るまでに、男には会わなかった。
「ちゃんと読んでくれたのかな?」
優子は独り言のように呟いた。
別に来なくてもイイけどね・・・。
広い体育館に響く一人だけの足音。
優子はひどく寂しい気持ちになった。
そして、その場にしゃがみ込み、橋本を待った。
その時、もう一つの足音が体育館に響いた。
「麻里奈?」
優子は振り返る。
「やあ。」
そこにいたのは橋本ではなく、頭のボサボサな男だった。
「なんだ・・・手紙ちゃんと読んだんだ。」
橋本ではなかったが、何故か安心した。優子はまたしゃがみ込み、目をつむる。
「優子。麻里奈をまだ待つつもり?」
男は陽気な口調で言う。
「麻里奈に会いたくないの?なら来なきゃよかったのに。」
男は優子の腕を掴み、出口へと連れていこうとした。
「やめてよ。私、麻里奈に会わなきゃいけないんだよ。」
しかし男はやめなかった。
「悪いのは麻里奈だ。優子が関わることじゃない。だから、帰ろう。」
優子はとなる。
「なんでそんなことが言えるの!?麻里奈は私の親友なのに!親友を助けるのは当たり前でしょ?」
「優子は少し優し過ぎる。だから関わっちゃいけないことにも関わっちゃうんだよ。」
優子は男の手を力いっぱい振り切り、体育館の中へと走る。
「麻里奈ばっかり悪く言わないでよ!!」
その時、何か人影が見えた気がした。
「・・・!」
「優子!危ない!!」
男は体育館中に響くような声で叫んだ。
「痛!!」
優子の肩に痛みが走った。
「ああ!」
肩を見ると、血がついていた。
しかし、そんなに痛くない。そもそも優子は怪我なんてしていたかった。
「優子?大丈夫?」
優子は見た。
男の腹に、包丁がぶっすりと刺さっているのを。
優子は声にならない叫びをあげながら、男にへと駆け寄った。
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