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スタアの恋 TRINITY〜ARATA〜 9話No.1

[562]  MIZUKI@VENUS.T  2008-06-26投稿
9話『アラタの想い…』

どのくらいたっただろう。

私はその場を動けなかった。

今はアラタの事は頭になく、拓哉さんの事だけが頭から離れなくて…。


死んだなんて嘘だ………。信じられない。

…立ちすくむ。



携帯が鳴った…




アラタだった。


アラタ『いずみ、これから帰るよ。
何か買って帰るものとかある?』


いずみ『アラタ………私帰らないと。』


アラタ『どうした?』



いずみ『帰らなきゃ………拓哉さん、死んだの。』


アラタ『いずみ、拓哉さんって旦那の事?』



いずみ『ごめんね、アラタ。』


アラタ『待った!
すぐ帰るから待ってて。
いずみ、必ずそこにいろよ。』


私は返事もしないで泣いていた。


20分くらいでアラタは帰ってきた。


私の異変にすぐアラタは気付いた。


アラタ『いずみ?』


いずみ『私のせいよね。こんな生活してたから天罰が下ったのよ。
なんで私以外の人まで不幸に会うの?
しかも、それが一度は一生を共にすると決めた相手だなんて…。
私以外に誰のせいだって言える?』


アラタは私を抱きしめた。


アラタ『いずみ、落ち着いて。
死んだのはいずみのせいじゃないから。』


いずみ『私のせいよ。事故だとしても私が死なせたのと同じ…。』


アラタは黙っていた。

私は自分を責めた。アラタの気持ちも考えずに…。



アラタは私の手を握ったままだった。


いずみ『アラタ、ごめんなさい。
今は拓哉さんの事しか考えられないの。
私のすべてを受け入れて結婚してくれた大切な人だった…。なのに私は………。』


アラタ『いずみ………。』

私はアラタを傷つけた。


アラタ『家まで送るよ。』

ただそれだけ言ってアラタは送ってくれた。


別れ際、


アラタ『待ってるから。』
と言い残して…。



その後、色々あった。
拓哉さんが離婚届を持っていたこと。


それは、私に対する最後の愛だったのかも知れない。

続く…。 9話No.1

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