携帯小説!(PC版)

○屋 ?

[607]  セイハク  2008-06-27投稿
バックを上段のベッドへ放り込むと真司はハシゴを上り、酒とツマミの入った袋を隅に置き布団を寝られるようにした。
『狭いなぁ』
と不満を感じながら、足を延ばし列車の壁にもたれた。
ワンカップを開け
「本当に何をするんだ?」
一人旅の心細さと金額に対する不安、さらにそこにある限られた空間が今までより不安を掻き立てた。
夜汽車は発車した。
カターンカタカターンと音が加速していく、同時にその振動が真司の不安をさらに加速した。
『だいじなことを聞いてなかった』
『俺がトンズラしたらどうするつもりなんだ?』
『誰かが見張ってる?アッ!携帯だ!』慌ててバックから東山可奈から渡された携帯を取り出した。あの言葉を思い出したからだ。
「微電波でも居場所が特定されるのでダメです」!『これが発信機か?電源はオフになってる?』
『何の為の携帯だ?かかってこねーだろ!』
もう、解らないことだらけのいらいらと、居酒屋で呑んだビールも手伝ってかお手洗いにたった。
トイレ着くと何人かが長い夜の準備をしていた。真司の番が廻りトイレからサラリーマン風の男が出てきた。『あレッ?切符買うときにいたおやじじゃない!』

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