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しおり 【?】

[198]  胡蝶蘭  2008-06-27投稿
「あーぁ。本当に栞は良いよねぇ。」
…まただ。
学校終わりの夕方、大学の友達である芽衣子とカフェで恒例のガールズトーク。
友達から散々愚痴を聞かされた後、いつもの「栞は良いよね」で締め括られるトークに私は少しうんざりしながらカプチーノをぐいっと飲む。
「あのねぇ、あたしだって悩みくらいあるんだよ?」
「例えば?」
「うちらもう大学4年だよ!?国家試験の勉強とか就活とか…それに実習だって卒論だってあるし。やることたくさんあり過ぎて、本気でヤバいもん。」
「あー、それ言っちゃう!?それ言っちゃうかぁ。」
「芽衣子だって同じでしょう。境遇は。」
「そらそうだけどさ。でもやっぱ恋の悩みはないんだねぇ。」
溜め息混じりに芽衣子が言い放ち、ピンダイのシガレットケースから煙草を取り出してキラキラにデコられたライターで火を点ける。
確かにあたしには恋の悩みはない。
悔しい…と、思うのは変だけど図星だ。
私は目線を泳がせて天井を仰いだ後
「まあね。」
と微笑んで返す。
「良いよねぇ。素敵な彼氏と順調でさ!!」
そう、これがあたしのキャラになりつつある。
彼氏とラブラブで順調。
だから友達はあたしを愚痴る相手に選ぶのだろう。
傷つくことがなさそうで。

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