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僕は君の未来を永遠(トワ)に。<43>

[366]  麻呂  2008-06-30投稿
『お兄ちゃん。ユキの頭の中にね、大きなオデキがあるんだって。でね、来週手術なんだって。』


ニコニコしながら僕にそう話してくれたユキちゃんは、なんて明るくて強い子なんだろうと思った。

その明るさは、この子の天性によるものなのか――


それとも僕達大人に、わざと心配を掛けまいと、明るく振る舞っているのだろうか――



『ユキちゃん大丈夫よ。手術をして、先生にそのオデキを取ってもらったら、また前みたいに学校に行けるんだよ。』


優しくユキちゃんの頭を撫でるエリカちゃん。



『うん。ユキ‥‥頑張るね。』


ユキちゃんは、静かに強く、そう言った。



『ユキちゃん。お兄ちゃんがね、今‥おまじないをしてあげる。』


僕は、思わず自然とそう呟いていた。



『おまじない?!』

ユキちゃんは、不思議そうな顔をして、僕を見つめた。


そんなユキちゃんの横で、ニヤニヤ笑っているエリカちゃん。


もう、これはやるしかない。



『じゃあ〜〜んっっ!!注目!!

僕の変人アイテム、赤い毛糸だっっ!!
毎日スーツの内ポケットに、正露丸と一緒に忍ばせているのサ!!

今日はヤルぜ!!

ユキちゃんの手術の成功を願ってね!!
行くぜぇ〜〜いっっ!!


ユキちゃんの手術は大成功!!大成功!!大成功!!絶対大成功〜〜〜!!

ほれっ!!やま!!かわ!!あみ!!うまのめ!!つづみ!!ふね!!

大成功!!大成功!!絶対大成功!!

やま!!かわ!!あみ!!うまのめ!!つづみ!!ふね!!
大大大成功〜〜〜!!

ユキちゃんの手術は大成功!!絶対大成功〜〜〜!!

うおおぉぉぉ〜〜〜!!』


僕は、ユキちゃんの前に立ち、数日前、オーディションで披露した“ひとりあやとり”を、“おまじない”と掛けて、連続で繰り返した。


オーディションの時は、こんなに叫ばなかったけどね。



『ち、ちょっと!!未來!!此処は病院よ!!静かにしないと!!』


エリカちゃんが慌てて僕を止めた。

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