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線香花火6

[383]  ゆうすけ  2008-06-30投稿
「ご家族の方はこちらへどうぞ。」
医師に連れられ、アイの母親と父親が診察室へ入って行った。廊下には僕が一人ただずんでいた。そして病室のベットには、アイが眠っていた。
しばらくして、僕はアイの母親に頼み込み、アイの事を聞いた。
彼女は今にも泣き出しそうな顔で僕に教えてくれた。「どうしよう、ユウちゃん。愛、認知症だって。」
瞬間、僕の瞳から光が消えた。
「認知症?そんな訳ない。だってアイはまだ18だぞ。人生はこれからなんだ。」アイとの思い出が走馬灯となって僕の頭を駆け巡る。「確かにアイと一緒にいておかしいと思った事は何度かある。しかしそれが認知症?ありえない、ありえない、ありえない。」
僕はそうつぶやきながらゆっくり世界が回転して行くのを本能で感じ取った。
「ユウちゃん?ユウちゃん?誰か、誰か来て!」
ああ、誰かが叫んでいる。でもそんな事はどうでもいい。昔に、二人で楽しく花火をしていた、あの頃に戻りたい。 パチパチ…
夏の終わりの日
夏休みが終わりに近ずいた頃、僕は医師とアイの母親に許可をとり、アイを海へ連れて行った。 7へ

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