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夕日が沈む前に(7)

[156]  主役は銭形  2008-07-01投稿
女性は明るくしっかりとした口調でそう言った。そして俺は女性に手招きされて病室へと入った。そこにはニット帽をかぶった俺と2つほどしかかわらない若い女の子がベッドに横になり窓を眺めていた。
「茜。高橋啓介さんに来てもらったよ。」
女性は優しく語りかけるようにそう言った。すると茜はすごい勢いで言葉をぶつけた。
「出てってよ。入ってこないで。」
茜のそれだけ言うと布団に潜り込んだ。絶叫とも言える声に俺も母親も呆然と立ち尽くした。そして少しの沈黙の後に母親が静かに語った。
「茜。あなたが憧れてた高橋さんが茜のためにこうして病院まで来て下さったのよ。そんなこと言わないで。」
その口調は母親の口調だった。
「私頼んでない。頼んでなんかいないじゃん。お母さんが勝手にやったことでしょ。もう勝手なことしないでよ。」
茜は涙の交じった声で叫びながら病室を飛び出した。母親は呆然と立ち尽くすことしかできなかった。俺も下を向き立ち尽くすことしかできなかった。すると母親は俺を気遣って声をかけた。
「本当に申し訳ありません。娘ならきっと喜んでくれると思い高橋さんに来ていただいたんですが…申し訳ありませんでした。」
母親は深々と俺に頭を下げた。

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