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信頼関係

[166]  ふく  2008-07-01投稿
疑いから始めてしまうと苦しいことなんて分かっている
信じるよりも疑うことは簡単
私ばかりが苦しいなんて被害妄想になったりもしたけれど
きっとそれ以上に相手は苦しいんだと
そんな風に気付かせてくれたのはあの人の呆れた台詞だった
『もういいよ』と吐き捨てる言葉
眉をしかめているけど口元は笑っている
何度傷付けただろう
何度その台詞を言いかけたんだろう
どれくらい嫌われてしまっただろう

信じてくれた
束縛も干渉もされなかったのは誰よりも私を信じていてくれたから
だけどそれが悲しくて
見放されているような気になって勝手に落ち込んだ
知らなかったから
私への強い信頼に気付かなかったから
興味がないんだと
愛されてないんだと
そう思う他になかった
口にしなくても伝わる想いなんて無いと思っていたから
耳に聞こえないと嫌
体で感じないと嫌
そう思い続けてきたから

心が近くに無いと
他に誰かいるのだと
『私なんか』と
あなたの気持ちも考えずに口にして安心できる返答を期待していた
積み重なる私の言葉に
大きくなり続ける疑惑にあなたは背を向け始める

俺達は何の為に一緒に過ごしてきた
信頼が無い関係は何の意味も持たない
そんな風に思われている自分が悲しい

寂しそうに見つめるあなたの目が心に突き刺さる
『何の為に』
頭で何度も上手い返答を考えた
分からない
『ただ私はあなたを』
言いかけた言葉が詰まる
言い訳がましい台詞なんて意味が無い
大人になりきれない自分がここにいる

信じてみたかった
安心して想い続けたかった
言葉が出てこなくて
結局何も出来なくて
最後の最後まであなたを苦しめた

上手に生きられない
上手にあなたを愛せない

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