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奈央と出会えたから。<175>

[578]  麻呂  2008-07-03投稿
* * * * * *

『かんぱぁ〜〜い!!』


あたし達は、ジュースで乾杯をした。



『これって、シャンパンじゃねぇよな。ジュースだよな?!』


シャンパングラスを片手に聖人が言った。



『当たり前じゃん。本物のシャンパンなんて高くて買えないわよ。』


ピザを上品に口元へ運ぶミズホさん。



『まぁな。んじゃあ、コレは何でしょう〜?!』


そう言ってテーブルの下からゴソゴソ何かを取り出した聖人。


取り出したのは、何と‥本物のシャンパン。



『親父はシャンパン飲まねぇからよ。

ちょっと失敬して来た。』



『マジで?!シャンパンて高級なんじゃねぇの?!

聖人、お前‥親父さんに怒られるぜ。』

ケーキを食べ、口の周りにチョコを付けたまま、サトル君が言った。



『飲んじまったら、こっちのもんよ。』

聖人は器用にシャンパンの栓を開け始めた。



『ポンって音がするのよね?!』


それを見ているミズホさんは、興味津々と言ったカンジ。



『音をさせるのはNG。俺はイイコだから、ちゃんとボトルの方を持って回す!!』


ちょっと得意気に、聖人が言った。



『どうしてボトルの方を回すの?!』


あたしの素朴な質問に、聖人は一瞬口元を緩め、



『これが正式な開け方なんだよ。

ポンッて開けてもいいけど、アワが噴くからな。』



なるほど。そうなんだ。妙に納得してしまったあたし。



『さぁ、今度こそ本物の乾杯だぜ!!』


聖人の音頭で、あたし達は二度目の乾杯♪





『ねぇねぇ!!みんな見て見て!!

また雪が降って来たよ!!』


カーテンを少しだけ開き、窓の外を見つめながら、ミズホさんが言った。

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