井上の憂鬱
……何かおかしいことになっている。
ファーストフード店にある子供用の遊具の入り口に、井上が寝っ転がっているのだ。
井上というやつは、俺の知人で、後輩だ。
そして頭がおかしい……のはもうお分かりだろう。
まあ夜だし誰もいないから、セーフだけど。
「抜けなくなった」
奴はとんでもない言葉を発した。
……が、俺にとってはどうでもいいので放って置いた。
「抜けなくなった」
もう一度言いやがったこの野郎。
そんなに構って欲しいのか。
「……何で?」
仕方ないから構ってやる。
しかしその問いには答えず、井上は自力で這い出て……また入って行った。
「やっほう」
……なんだよコイツ。
「俺は気付いたぜい」
見ると、さっきと同じ体勢だった。
「うつ伏せで入ると抜けなくなるということをな!」
…………。
「ああ、大切なことを分かったな」
もはや笑うしかなかった。
ファーストフード店にある子供用の遊具の入り口に、井上が寝っ転がっているのだ。
井上というやつは、俺の知人で、後輩だ。
そして頭がおかしい……のはもうお分かりだろう。
まあ夜だし誰もいないから、セーフだけど。
「抜けなくなった」
奴はとんでもない言葉を発した。
……が、俺にとってはどうでもいいので放って置いた。
「抜けなくなった」
もう一度言いやがったこの野郎。
そんなに構って欲しいのか。
「……何で?」
仕方ないから構ってやる。
しかしその問いには答えず、井上は自力で這い出て……また入って行った。
「やっほう」
……なんだよコイツ。
「俺は気付いたぜい」
見ると、さっきと同じ体勢だった。
「うつ伏せで入ると抜けなくなるということをな!」
…………。
「ああ、大切なことを分かったな」
もはや笑うしかなかった。
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