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遠い記憶 〜ケンゴ〜

[143]  FREEGO  2008-07-04投稿
賢吾と甘い夜を過ごした次の朝は、いつも一人が当たり前だった私にとって、その日はとても幸せな朝だった。

私が目覚めた時、賢吾はもう着替えを済ませ、ぼんやりタバコを吸っていた。

「お、やっと起きた?おはよ。」
「…なんで?賢吾昨日帰んなかったの?」
「なんでって…居たらマズイの?」
「だっていつも…」


「こんにちは、ロイヤルピザです。」
「え?朝からピザ?」
「ってかもう昼だし。ピザ俺が頼んだ。おまえん家の冷蔵庫、空っぽだかんな。」
賢吾はタバコを消しながら玄関へ向かう。



〜賢吾と食べたチーズたっぷりのピザは、寝起きの私にはかなりヘビーだったけど、本当に美味しかったっけ…。〜



「ってか今日…どっかいかね?日曜だし。大学も休みだろ?」
賢吾の言葉に正直驚いて、私はピザを掴みそこねた。
「休みだけど…昼間から一緒に外歩いていいの?」
「なんでそんな事聞くんだよ。俺達つきあってんだろ?…ってかコーラ頼むの忘れてんじゃん、俺。」
賢吾は普段と変わらないノリでそう答えた。
「じゃあソッコーで化粧するから!」



賢吾の誘いが私は嬉しくてしょうがなかった。
賢吾が会ってくれるのはいつも決まって夜。コトが済んだらその日のうちに帰るか、泊まっていっても私が起きる頃にはもう帰ってるパターンがほとんどだった。
日が射す昼間から一緒に出歩いたこともない。
賢吾にはきっと本命の彼女がいるんだって思ってた。
でもそんな事を問い詰めて賢吾に会えなくなるのが怖くて、何も聞けずにいた。



ねぇ、賢吾?

あの日の朝が今では本当に眩しすぎて、もう目を開けていられないよ。

ねぇ、賢吾?

あんなに好きだった賢吾の顔も光が邪魔してよく見えないよ。

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