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追憶 イチ

[181]  FREEGO  2008-07-04投稿
私は気がつくと、病室のベットに縛りつけられていた。
両腕と両足、腹部までもが、分厚いベルトで固定されていた。右腕にはチューブが通され、変な機械に繋げられている。
私はそのチューブを右手でなんとか手繰り寄せ、怪しい機械から引き抜こうと試みたが、駄目だった。手首が固定されている為に力がうまく入らないのだ。
緑と赤のランプが交互に点滅しているその四角い機械が単調な機械音とともに、私の体を支配しようとしている!
私は頭を精一杯伸ばしてそいつを押し倒すことに成功。
「やった、助かった!」
その時、物音を聞いて看護婦らしき女が飛んできた。
「美波さん、ダメじゃない!こんな事しちゃ!!」

「…私、もう少しで危なかったんです。でもこの機械との勝負に勝ったんです。」
「もう…何いってるんですか?あなたの精神は今普通じゃないの。でもちゃんとお薬を飲んでくれれば、治る病気だから。ね?変な事しないでちょうだい。」


「…?精神が普通じゃない?ってか普通ってなに?」


そう言おうとした時には脳みそがひっぱられるような感覚に陥り、口を動かしても言葉にならず、また意識を失った。


再び意識を取り戻した私は、視覚よりもまず聴覚が動き始めたよう。
「美波さん、今は躁の状態が強いみたいですね。薬物の反応はなかったみたいですけど…。さっき起きた時はまだ危ない状態でしたから、まだ当分ベルトも外せないですね…。」


(何の話?…ソウ?躁鬱のこと?)


この日から、私は精神病院に入ることになった。新しい連続した記憶はほとんどなく、しっかり思いだせるのは、中学にあがるまでの記憶だけだった。でも、何かとても大切な事を忘れている気がする。それだけは確信があった。

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