携帯小説!(PC版)

俺る翼

[540]  きゆ  2008-07-04投稿
「カナダに留学させてください」。俺の人生を変えた言葉だ。
俺は父親に小さい頃から敬語で物事を話すよう厳しい教育を受けていた。そして近所からは真面目で優秀な子供を演じていた。だが、事実は違った。家からも、学校からも離れた場所に本当の自分が居た。中学時代、周りからの目は虫けらを見る様な状態。悪ガキだった。喧嘩、窃盗等に明け暮れ、自分が1番強い。暴力だけが生き甲斐だった。周りに人を寄せる事は皆無。友達など所詮偽りの人間関係だと決めつけ、一人も友達もいない。つまらない日々から抜け出す様に毎日、殴りつける相手を探し町に出た。
相手が血まみれになった時は、「深夜特急」をマックで読み、偽りの良い子になってから家路についていた。自分が血まみれになった時は、たまたま知り合った29歳のOLのアパートにSEXを提供する変わりに寝場所を得ていた。突然アパートまで行き、ベルを鳴らすのはデカイ音がして嫌だった。電車のベルの様に焦らせる感があるからだ。その為、扉を三回叩くのが何気ない決まりだった。扉が開くと、いつものソファーに座り、お互いに黙ったままOLが救急箱を持って来て手当をする。手当てが終わると飯の支度を待ち、食後には何だか調ねぇーが甘い紅茶を入れられる。OLの手当て、飯、Sexじゃなく、紅茶を気にいって足を運んだ。甘い紅茶は傷には染みるが、濁った心には温かい温もりの様に感じた。

感想

感想はありません。

「 きゆ 」の携帯小説

エッセイの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス