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イヌ恋 ?

[176]  2008-07-05投稿
「火事!?」

あの日照り続きの日に起きた、隣町の火災とはペットショップのことだったのだ。

「アカネは…俺が逃がせた唯一の犬でした。他は全て燃えて死んでしまったか、保健所に。」

「それで、スーツって…。」

「火元は放火。ウチの両親が酔った勢いで始めた夫婦喧嘩がエスカレートして…。二人とも焼死しました。」

これを踏まえて自分の言動を振り返った茜は、直ぐに謝った。

「本当にごめんなさい!!何にも知らない私なんかが…。」

「感謝してますよ。今日までアカネを面倒見てくれて。」

アカネを撫でながら嬉しそうに周助は言った。

「今頃こいつも保健所に引き取られていたところでした。俺、今週には祖父母が残してくれた家に移り終わるんで、何とかそれまで預かってもらえないかなって…。」

「丸井さん、料理出来ます?」

「え?」

「家事は?掃除や洗濯。」

「いきなり何を…。」

「アカネの面倒だって!」

恐らく茜は今、本能のままに動いているのだろうと自分でもわかった。

「アカネも丸井さんも心配です!私もその家に住みます!」

周助は驚きのあまりアカネの頭を撫でたまま動かなくなった。
アカネは手をジタバタして、頭の上の手を嫌がっている。

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