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ワーキング・プアからの脱出 43

[387]  楽園 海風  2008-07-06投稿
子供は何処も同じで、大人がしてはいけないと言う事をやりたがるものです。目の前には4階建のビル程の高さの断崖が200メートル程、海から競り上がっていました。隆起してできたのか、地層が見えました。大声を出すと山びこが返って来ました。帰り際に子供達に向かって手を振ると、大きく手を振り返して、最高の笑顔を返してくれました。
3つ目に立ち寄ったのは、レキンの断崖からさらに北上、車で約10分程度に在る青の洞窟でした。うっそうとした森の中に在るものと勝手に想像していましたが、普通に村の中に在る、直径20メートル程の池でした。中を覗き込むと、濃い藍色の水面が3メートル程下にあり、色とりどりの熱帯魚が泳いでいました。おそらく、地殻変動で、この島の隆起した際に取り残されたのか、地下洞窟で海と繋がっているのだと思いました。ガイドの男性に訊いてみると、
「この池は海水では無く淡水だ。非常に深く、70メートル以上ある。」
との返事が返ってきました。
上からフランスバンのかけらを投げ込むと、バシャバシャと音をたてて魚たちが先を争って食べに寄って来ました。投げ込む前から魚たちが寄って来ていたのは、おそらく観光客はいつもこの場所からバンを投げ込むために、足音と人影を見ただけでも、そうするように学習したのだと思いました。
最後に立ち寄ったのは、島の最北端に位置する、この島で最も大きな村の、最も大きな教会でした。ムリ村の教会とは違い、中に入る事ができました。高い天井に、色鮮やかなステンドグラス、壁の周りには、絵とフランス語で描かれた聖書物語のボードが数十枚、ぐるりと教会内部を取り巻くように飾られていました。奥の祭壇に進むと、フランス人らしき神父がいて、ジェスチャーで写真を撮ってはいけないと事を我々に告げて来ました。英語で分かりましたと告げると、神父は笑顔を返してくれました。
島内観光が終わり、ホテルに帰って、別に何をするでもなく、一日中、海を眺めていました。コテージの前は真っ白な砂浜が遥か彼方まで続き、プライベートビーチになっていました。隣のコテージまで50メートル程ですが、出かけているのか、人影は無く、幅200メートル程が私だけのプライベートビーチで、この真っ白な砂浜を独り占めにしていました。
私は、すっかりウヴェア島の虜になっていました。
つづく

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