特徴 3
「夏…紀か!?」
口をギュッと結び、眉間にシワを寄せてじっとこちらを見ている。
この子は佐藤夏紀。
無口な子、と言うより喋るのが苦手な子。
感情を顔に出さない子が怒ってるとは…珍しい事だ…。
「おい…で…。」
穏やかな口調で、スっと手を伸ばした。
すると、かまきりが夏紀に向かって飛んで行くではないか。
これには、驚きである。
「そう…か、怖…かっ…たか。」
「…スゲェよ夏紀!動物と話せるのか!?」
夏紀は…コクン、と頷く。
あれっ…?
一瞬だけ…口角が上がったかのように見えた。
「皆…おい…で…。
い…い人達…だ…から。」
そう言うと、開いている窓からカブトムシやトンボ、蜘蛛など色々な種類の虫が入ってきた。
ヒィィッ!?バタ…。
あ…一美が気絶してしまった…。
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