携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> イヌ恋 ?

イヌ恋 ?

[124]  2008-07-08投稿
アカネが脚にじゃれついてきたので、茜は少し楽な気持ちになった。

「だいじょうぶ。お前はどこにも行かせないよ。」

茜が腰を下ろすと、膝上にアカネが乗ってきた。

「コラ、アカネ。……あ。そうか、茜ちゃんも同じ名前だった。」

「偶然ですよね。犬と同じ名前。」

二人はしばらく談笑した。

茜がずっとアカネを心配していたこと。
アカネも茜を夜な夜な探して、落ち着かなかったこと。
今日は茜は学校をサボったこと。

「お昼ご飯!作ってあげますね!そのためにホラ、材料まで買ってきましたから。」

周助はアカネと共に美味しそうなチャーハンが出来る過程を見つめた。

「すごい手際良い…。」

「ありがとうございます。お口に合いますかどうか…………ハイ、完成。」

アカネが物欲しそうにクゥンと鳴いた。

二人と一匹で食べる昼ご飯は格別だった。

幸せだと二人は思っていた。
おそらくアカネも。





「夕方頃に来るらしいから、もうすぐかな。」

「はい。」

「茜ちゃん、本当にありがとう。」

「いいえ、そんな。」

茜は窓から漏れる西日に目を落としていた。
―これで本当に周助と別れる。
アカネも無事に周助と暮らせる。
では自分は?―\r

「あ…」

「「あの」」

周助と声が被ってしまった。
お互い黙ってしまう。

「あ…周助さんお先に。」

「うん…。俺のためにわざわざここまでしてくれたから、いつかお礼するよ。って…無責任な約束を取り付けたかっただけだよ。そっちは?」

「本当に無責任。」

「ごめんなさい。」

日向ぼっこをしているのか、お腹を日差しに向けて、アカネは眠っていた。

「でも、周助さん。お礼なんか要らない。」

「そんな…いつか必ず」

「……………。
私は周助さんが欲しいの。」


凛とした瞳が周助を見つめていた。

感想

感想はありません。

「 輪 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

新着小説作品

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス