Killing Night Freaks/Chap.1/『それは死に似た闇色で』,1
ずっと、退屈な日常を過ごしていた。朝起きれば洗顔を済ませ朝食を採り、着替えてから学校に行く。つまらない授業に耐え、昼食を食べながらそれなりに親しい友人達と会話する。放課後になれば部活動に精を出す生徒たちを横目に帰宅し、後は、夕食と風呂を済ませて眠るだけ。
僕という人間の日々を構築するのは、これだけ。単純で、有り触れていて、何の面白味もない日常。平淡で平凡なルーチンワーク。輝かしい業績と無関係な代わりに後ろ指差されるような事も無く、安定しているが故に精神が摩耗し擦り切れていく。
そう、僕は飽きてしまったのだ。この、退屈な日常に。
だからふとした瞬間に「何か面白い事無いかな」なんて呟くのが癖になってしまっていたし、気が付けば夜歩きの癖まで出来てしまっていた。一度だけ補導されかけたことも有ったけど、その時は先輩が偶然通り掛かってくれたおかげで事無きを得たっけ。小一時間ばかり説教されたあげくに馬鹿な事は止めろと言われたが、未だに僕は深夜徘徊を続けている。
けれど、何も無いのだ。日常というものは存外に頑丈で、ちょっとやそっとの事じゃ壊れてなんかくれない。何か特別な刺激など諦めて部活にでも精を出せとは件の先輩にも言われている。けれど、無理だ。その程度じゃあきっと、僕は満足しないだろう。そう、多分、僕は特別でも有りたいのだ。我が儘だな、と自分でも思う。けれどこればっかりは仕様が無い。色々お世話をしてくれる先輩には悪いけど、僕は今日も、夜の町を歩いていた。
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