『女子中学生…か』
高木はこめかみに指を当てる。
『カフェの防犯ビデオから予測すると彼女しかいません』
細身の青年、倉田はハッキリと言った。
『被害者は誰かに対して腕を伸ばし、その格好で固まっている』
『妖怪ゴーゴン現わる。ですかね』
倉田は笑いながら言った。そこへ灰色頭の黒いコートを着た怪しい男が二人に近付いてきた。
『どなたかな？』
『あんたらは勘違いしている』
二人は予想できない発言に驚いた。


優と灰頭の男は公園でアイスを食べていた。
『あ〜あ、折角飛べるようになったのに』
『仕方ないさ。この役目は俺らの階級だ』
『まぁいいわ。私の正義でこなすだけだから』
『お前は後先考えないからな。心配だ』
『あんたは慎重すぎんのよ少しは派手にやんな』
二人はパッと立ち、顔も合わせず別々の道に歩き始めた。


コートの男は話終えると早々と店を出ていった。
『悪い芽を潰す天使…か』『この有り様見せられちゃ信じる他ないですよね』
『まぁこれで合点は着いたが…』
宙に水の入ったコップが浮いる。不自然に水が滴っていた。
『ふざけやがって。何が神の使いだ』
高木は浮いたグラスを脇目に立ち上がった。

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