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ワーキング・プアからの脱出 49

[370]  楽園 海風  2008-07-11投稿
私は従兄に、
「お兄ちゃん、あれ何?」
火の玉を指差し、尋ねました。従兄は、
「屋根がどうしたの
?」
従兄には、火の玉が見えていないようでした。その時、自分には見えても、他人には見えない物が在る事に気付きました。
幼稚園の頃、夜中に目が覚めて、ふと隣に寝ている母の方を見ると、真っ暗闇の中に、ほの白く、ぼんやりと母の姿が光を放っていました。試しに、自分の手を暗闇に翳して見ると、同じように、手の形に白く光っていました。両手を近付けると、白い光が吸い寄せられて、両手の間隔を広げると、綿飴のように、スーッと伸びました。
この日以来、私は夜に寝床での光遊びに夢中になりました。小学校の低学年の頃までは、ただ、手でゴムを伸ばすように、遊んでいましたが、5年生になる頃、手の平で丸める事を覚えました。最初は野球のボール程度の大きさでしたが、ソフトボール、バスケットボールと、大きな物を作れるようになりました。丸め遊びに飽きた頃、腕を真っすぐに伸ばすと、光も伸ばした方向に伸びる事に気が付きました。最初は指先から数センチだったのが、やがて天井に届くようになりました。
私は中学生になる頃、真昼の明るい場所でも光が見えるようになっていました。また、人それぞれ発している光の色が異なる事に気付いていました。また、健康な人は、一定の美しい光を、体のどこかに不健康な箇所が在る人は、その部分だけ光が鈍く、淀んで見える事を気付きました。
高校生になる頃、それからの人生を一変させるような、貴重な体験をしました。それは、いつもの金縛りから始まりました。私は、物心ついた頃から、月に1度のペースで金縛りにあっていました。深夜、突如目が覚めると、視覚は覚醒しているのに、体が動かない。何とか目覚めようと、呼吸を早くしたり、まばたきを早くしたり、もがいているうちに、はっとして目覚める。
また、いつもの金縛りだと思いましたが、今回は少し、何かが違うと感じていました。何か、フワフワした、水に浮いているような感覚が在りました。体の中で、数少ない動く場所である目を忙しく動かしていると、布団から出ている左腕に目が止まり、不思議な事に気が付きました。光っている部分が左腕よりも10センチ程上に見えるのです。自分の左腕の上に、もう一つの光る左腕が存在していました。
つづく

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