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良子…二股の恋?

[383]  ぐうりんぼ  2008-07-12投稿
─お客様が、お掛けになった番号は現在、使われておりません。
もう一度、最初からおかけ直して下さい─

オペレーターの音声がスピーカーから流れた。

今度はメールを送ってみるが、届かない。

「アイツ、ケータイ変えたのかな?」

「チョット待って」

今度は私が自分のケータイでかけてみた。

やはり…、通じない。

そこで私たちは由美の自宅アパートを訪れた。

『ブルーハウス』…洒落たデザインのアパートである。

何と既に、由美は引っ越しした後だった。

これには私はカンカンになった。

「黙って引っ越しするなんて! 一言私に報告しなよ!」

由美は私の世話でココに入居出来たのに…。

「引っ越し先に心当たりねえの?」

「ないよ」

「どこ行ったんだよ由美のヤツ!」

その時…、

♪〜♪〜♪〜♪!

私のケータイの着信音が鳴った。

「ハイ!」

「…」

返事がない。

「もしもし?」

「…私」

偶然にも電話は由美からである。

「由美! アンタ今、どこにいるのよ!?」

「どこって?」

「私に黙って引っ越ししているじゃない!
どうして、一言連絡しなかったの!?」

「ゴメン、連絡する間がなくて」

「ったくもォ! それよりも…アンタ今、どこにいるの?」

「…」

何も答えない由美。

「教えてよ! どこにいるの!?」

「…言えない」

今の返事に私は頭にピンと来るものを感じた。

「どうして言えない?」

「…」

「嘉村秋人と言う男と同棲してるから。…そうだよね?」

「雅美の想像に任せる」

「ふざけないでよ!」

「私! フレンドリーを脱会するから」

「ハァ!?」

すると、森山は私からケータイを取り上げた。

「由美、俺だ。お前いったい…」

プー…♪

電話は切れた。

唖然となる森山。

初めて無視されて、言葉が出ない。


つづく

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