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ラーメンWar9

[606]  まっかつ  2008-07-12投稿
RA=MEN?

まんまじゃねえか―\r

情報員の男は一三雄大から受け取った俺のラーメンに魅入られた様子で、

『これが―世界を支配する力』

回りの仲間達にそれを掲げて見せた。

『わが大英帝国はこれで再び超大国として歴史に君臨する!』

情報員にしてはぺらぺらと良くしゃべるな―\r

そう言いたげな顔を察したのか、ヤツはソファーに拘束されたままの哀れな俺に近付き、

『今の話は口外無用に願いたい』

さげずむ様な笑みを浮かべながら、男は俺の頭に小型の22口径拳銃を冷たく当てて来た!

『だが君は誘惑には勝てないな―だから私が秘密を守る苦労を無くしてやろう』

くそっ

やっぱりこうなるのかよ―\r
















『ちょ―ちょっと待って下さい』

だが、一三雄大がおずおずと制止にかかった。

『殺さないと約束したじゃないですか』

あからさまな不服の情を、情報員の男は浮かべた。

しかし彼はそれを言葉にはせず、即座に仲間に目配せをすると―\r

女情報員がテーブルに小さな皮袋をぼんと置いた。

『受け取れ―君への報酬だ』

一三雄大は恐る恐るそれを持ち上げ中身を調べて見た。

『こ、これは―これだけ―ですか?』

じゃらじゃらとテーブルに開けられた《報酬》とは―\r

誰かの肖像が描かれた古めかしいコインだった。

雄大の言う通り、大した数は無いみたいだ。

『君は《裏切者のユダ》だ』

皮肉気たっぷりに、男は解説を始めた。

『そんなヤツにはデナリウス銀貨30枚で十分だろう?』

仲間の情報員達はそれを聞いて笑いころげた。

『だ、だから言ったんだ!こんなヤツらを信用するなと』

ソファーをきしませながら、俺はわめいた。
一三雄大は、意気消沈してその巨体を床にへたりこませてしまった。













『だが』

今度は男は、22口径の照準をうなだれたヤツの頭に据えて言い放った。

『その銀貨はあの世で使ってもらおう―冥土の土産だ』

再び仲間どもの追従笑いが続き、男が引金に指をかけるのを最早止める事が出来ないかと思われた。









だが俺はふと気付いた。

ソファーのすぐ下に転がっている《ユカリちゃん》の巫女姿を!

先ほどからの騒ぎでテーブルにあったのがここまで飛ばされていたのだ。

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