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良子…二股の恋?

[356]  ぐうりんぼ  2008-07-12投稿
私は詳しい事情を聞こうと学校で由美を探したけれど、見つからない。何日も待っても姿を見せなかった。

学校が長い夏休みに入って、私は佳奈さんに電話で尋ねてみた。

佳奈さんが別の友人から聞いた話しでは…、

由美はココしばらく学校には来ていなかったと言う。

休学の直接の理由は分からないけど…、妊娠していると言う話しもチラホラ聞かれるらしい。

私は森山を再度、事務所に呼んで佳奈さんからの情報を教えた。

予想以上のとんでもない事態に、森山はこらえきれない憤りを感じた。

そんな森山に私は気になる質問をしてみた。

「良子の事、今はどう…思ってる?」

「どう思ってるかって?」

「由美は、浮気してる。しかも同棲していて、妊婦の可能性が大。
なあーんかサァ、由美は純情だと思っていたけどォ…良子の方がまだ、マシな方だと思うのよね。
森山もそう思わない?」

「そうだな、悪くないんじゃねえの?
自分自身を見つめ直すって言うし、凄く魅力的になった気がする」

「…」
隣りの部屋から盗み聞きしている良子が思わず顔を赤らめた。

私は質問を続けた。

「じゃあ…良子の事、好き?」

「え!?」

戸惑う拓也。

良子も!


「良子の事、好きかって聞いてるの」

苦笑する拓也。


「俺を、からかっているのかよ?」

私はムッとなった。

「私はマジだよ。
ちゃんと答えて」

「キライじゃねえけど」

正直な答えに、私はニッコリと微笑んだ。

「だったら森山、良子を恋人にしようよ」

「何でアイツと…」

私は拓也をジッと見つめた。

「良子はね、今でも…森山に対する気持ちは変わらないんだって」

「誰が、そんな事を?」

「美月さんが」

「あの人が…」

「もう思い切ってサァ、良子を恋人にすれば?」

「アイツと別れろってか?」

「私が森山なら、そうするけどね。あんな浮気女とは、サッサと見切りつけちゃう」

「冗談じゃないぜ」

「出来ないの?」

「出来ねえよ」

「どうして?」

「俺は、由美を愛しているからサ。」

「他の男に取られているのに?」

「同棲も妊娠も、まだ…本当がどうか分かんねえだろう?」

「呆れた! 信用していないんだ?」

「俺は、どんな事があっても由美を信じる。
アイツは絶対、俺を裏切らない」


つづく

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