余 2
な…何で…?
財布って怪我する位危なかったのか…?
…違う。
金はいつも僕が出してた。
飛んできたのは食器だったんだ…。
人間、傷があると感じると痛むもので…脈を打つ度に傷口が痛んだ。
「アンタまた…。藤谷さんに…?」
「…気なさらないでください!早く帰らなくてはイケないのでこれで…。」
最高の笑顔を作り、店を後にした。
ザアアアァ…。
店の外では雨が降り始め、人一人と居なかった。
おばちゃんに傘を借りようと思ったが、迷惑はかけられない。
走れば何とかなる!
そう決意した瞬間、うなり声が聞こえてきた。
ウウゥゥゥ…。ウウゥゥゥ…。
「ん…犬だ!おいで?ビーフジャ-キーあるよ。」
ガリッ、グチャ、ギチャ。
野良犬は凄い勢いで食べ切ってしまった。
どれだけ飢えていたのだろう…。
………ん?
うわあぁあっ!?
野良犬の横で、裸の女の人がこちらを見ていたのに今…気がついた。
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