恋、二度(ふたたび) 121
「あんな奴って…お父さん、厳しかったんだ…」
「厳しいとかじゃないの…自分の体裁を一番に考える、我儘で自分本位な人なの…」
「真愛は、お父さんの事嫌いなの…?」
「あんな奴…大っ嫌い!」
「どうして?」
「子供の頃からあの人は甘えさせてくれなくて…あの事があった時、『お前に隙があるからだ!恥さらしめ』って生まれて初めて殴られて…女子高受験に失敗した時も『情けない』って一言だけ…それから話し掛けてくれなくなったの…」
「でもそれは真愛が、男の人と話せなくなったからとちゃうの?」
「幾らなんでも親子だよ…殴られた時は怖くて泣いたけど…私ね…短大に入ってから一度も実家に帰った事ないんだ…」
「どうして?」
「私の事を小野家の恥さらしだと思ってるし…あの人もあれ以来私を嫌っているのが、傍目からでもわかるもの…そんな家に帰りたくない…」
「そうかな…お父さんも、どうしたら良いのか分からないだけとちゃうのかな」
「夏希くんはあの人を知らないから…」
私は、父が私を嫌悪の対象でしかない、と思っていたが、実は違うという事にいずれ気付く事になるとは、この時には思いも寄らなかった。
「厳しいとかじゃないの…自分の体裁を一番に考える、我儘で自分本位な人なの…」
「真愛は、お父さんの事嫌いなの…?」
「あんな奴…大っ嫌い!」
「どうして?」
「子供の頃からあの人は甘えさせてくれなくて…あの事があった時、『お前に隙があるからだ!恥さらしめ』って生まれて初めて殴られて…女子高受験に失敗した時も『情けない』って一言だけ…それから話し掛けてくれなくなったの…」
「でもそれは真愛が、男の人と話せなくなったからとちゃうの?」
「幾らなんでも親子だよ…殴られた時は怖くて泣いたけど…私ね…短大に入ってから一度も実家に帰った事ないんだ…」
「どうして?」
「私の事を小野家の恥さらしだと思ってるし…あの人もあれ以来私を嫌っているのが、傍目からでもわかるもの…そんな家に帰りたくない…」
「そうかな…お父さんも、どうしたら良いのか分からないだけとちゃうのかな」
「夏希くんはあの人を知らないから…」
私は、父が私を嫌悪の対象でしかない、と思っていたが、実は違うという事にいずれ気付く事になるとは、この時には思いも寄らなかった。
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