蚊柱
第一章
暑い夏の日だった・・・
その日は、小学校の終業式で午前で学校が終わりだった。
俺は5歳離れた小学校4年生の弟の哲平と小学校1年生の妹の聖子と一緒に、夏休みはどうするかなど楽しく話しながら帰っていた。
「ただいまぁ!」
聖子が元気いっぱいに玄関の扉を開けた。
「・・・。」
いつもなら、母親が「おかえり」と玄関に来るのだが、その日は返事が無かった。
どこか買物にでも行っているのかなぁ〜と思い、1Fのガレージが父親が自営する工場なので、哲平と聖子と1学期の通信簿を見せに父親のいるガレージに向かった。
「父さん!」と呼びかけながらドアを開けると父親が柱にホースをかけて、首吊り自殺をしていた。
俺は、とっさに後から来た哲平と聖子に「こっちくるな!」と腕を引っ張りながら隣にある父親の書籍に走り込んだ。
その部屋では、母親が大量の血だまりの中でうつ伏せで倒れていた。
この日から俺たち兄弟3人の運命は引き裂かれるのであった。
俺たち兄弟は、身寄りの親戚に引き取られるものだと思っていたが、父親が借金を苦に母親と心中した事もあって、親戚にも多額の借金をしていたらしく、親戚からも見放されていた。
俺と聖子は同じ千葉にある施設に入る事になり、哲平は人数的な問題もあり埼玉の施設に入る事になった。
「それじゃあな!哲平、強く生きろよ!お兄ちゃんはおまえのそばにいるからな!何かあったらすぐに連絡をくれ!」と千葉の施設の電話番号を書いたメモを渡した。
「兄ちゃん。何で俺だけ一人なんだよ。俺も兄ちゃんや聖子と一緒がいいよ!」
まだ小学校4年生の哲平には無理もなかった。
「聖子もテッチャンと一緒がいい!」聖子が泣き出した。
「ごめんな哲平・・・。」
迎えに来たワゴン車に哲平は下を向きながら乗り込み一度も顔を上げないまま行ってしまった。
暑い夏の日だった・・・
その日は、小学校の終業式で午前で学校が終わりだった。
俺は5歳離れた小学校4年生の弟の哲平と小学校1年生の妹の聖子と一緒に、夏休みはどうするかなど楽しく話しながら帰っていた。
「ただいまぁ!」
聖子が元気いっぱいに玄関の扉を開けた。
「・・・。」
いつもなら、母親が「おかえり」と玄関に来るのだが、その日は返事が無かった。
どこか買物にでも行っているのかなぁ〜と思い、1Fのガレージが父親が自営する工場なので、哲平と聖子と1学期の通信簿を見せに父親のいるガレージに向かった。
「父さん!」と呼びかけながらドアを開けると父親が柱にホースをかけて、首吊り自殺をしていた。
俺は、とっさに後から来た哲平と聖子に「こっちくるな!」と腕を引っ張りながら隣にある父親の書籍に走り込んだ。
その部屋では、母親が大量の血だまりの中でうつ伏せで倒れていた。
この日から俺たち兄弟3人の運命は引き裂かれるのであった。
俺たち兄弟は、身寄りの親戚に引き取られるものだと思っていたが、父親が借金を苦に母親と心中した事もあって、親戚にも多額の借金をしていたらしく、親戚からも見放されていた。
俺と聖子は同じ千葉にある施設に入る事になり、哲平は人数的な問題もあり埼玉の施設に入る事になった。
「それじゃあな!哲平、強く生きろよ!お兄ちゃんはおまえのそばにいるからな!何かあったらすぐに連絡をくれ!」と千葉の施設の電話番号を書いたメモを渡した。
「兄ちゃん。何で俺だけ一人なんだよ。俺も兄ちゃんや聖子と一緒がいいよ!」
まだ小学校4年生の哲平には無理もなかった。
「聖子もテッチャンと一緒がいい!」聖子が泣き出した。
「ごめんな哲平・・・。」
迎えに来たワゴン車に哲平は下を向きながら乗り込み一度も顔を上げないまま行ってしまった。
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