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頭脳と頭脳(12)

[564]  未熟  2008-07-17投稿
スタイルもいい。
筋肉もそんなについているわけでなく、少し細目の女らしい体格。
哲史を女にして少し小さくした、そんな体付きだ。
「ああ、お前は覆面を捕まえたい。なら、少しでも情報がほしいはずだ。」
女はうなずいた。
「なら、覆面と関係がある俺に話を聞きたい。しかし、俺が警察官に捕まれば・・・・・・」
「話が聞けなくなるおそれがある。あなたとまた会える確証はないのだから。また、話を聞くのが遅くなる。」
正解だ。
こいつは早く覆面を捕まえたい。
覆面が遠くへ行く前に。
可能性にかけたいのだ。
まだこの市に覆面がいるという可能性に。
こいつは、覆面が俺とゲームをしてるなんて知らない。
なら、覆面がまだ万葉市もしくは、その周辺にいるであろうということは知らないのだから。
だから、俺は少女が助けてくれると考え、大声であんなことを言った。
そして、こいつが出てきた。
だが、まだこの女が少女かどうかは、わからない。
覆面の仲間で、覆面の情報を警察官に知られるのを恐れ、助けたという可能性もある。
なら、反応を見るか。
女の耳元で小さく
「花火はどうだった?」
呟いた。
「あんたがあれを!」
女の顔が怒りに変わる。
次の瞬間、拳で殴ってきた。
俺はそれを片手で、難なく止める。
いいパンチだ。
格闘技かなにかやっていたのだろう。
女に演技をしている様子はない。
しかし、俺が見破れないほどの演技力なのかもしれん。
だが、俺にそれを確認するすべはない。
なら、信じよう。
こいつが少女だろうが、覆面の仲間だろうが、情報を聞ければいい。
少女だという確信があれば、少しはリラックスできたんだが。
まあいい。
「女がグーパンかよ。さっきのは嘘だよ。嘘。俺も覆面を追っている。」
女は俺の全身を見る。
特に顔の表情を。
嘘かどうか探っているのだろう。
嘘でないから、気にしなくてもいい。
まあ、たとえ嘘をついていてもバレない自信はあるがな。
「悪かったわね、お淑やかじゃなくて!」
拳をおろした。
嘘をついてないと判断したんだろう。
殴ったことについての謝罪はなしか。
まあいいがな。
なら本題だ。
「お前が覆面の言ってた少女で間違えないな?」
「さっきから覆面、覆面ってなに? それにあなたは・・・・・・誰?」

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