ダメツマ、ダメオット。23
〜ダメツマ、ダメオット〜
…チャペルの入り口で出番を待つ。
寝不足でメイク中爆睡していたツマも、キリッとした表情に変わっている。
パイプオルガンの音を合図に、牧師の後をボクだけ先に入場する。
少しタイトなタキシードがボクの背筋をピンとさせ、余計な緊張をあおる。
祭壇の前で止まるとオルガンの曲が変わり、ツマがお父さんと並んで入場してきた。
…何度も試着して決めた純白のウエディングドレス。
慣れないヒールで裾を踏まないようにバージンロードを歩くツマの姿を、このとき今までで一番キレイだと思った。
二人で祭壇の前に並ぶと、外国人の牧師は『これぞガイジンが喋る日本語』といった感じで説教を始める。
牧師の喋り方と優しい目のお陰で、緊張がホグれる。
互いに手を取り、指輪の交換をする。
ツマは上手く指輪をはめられず、ボクはコッソリ自分ではめ直した。
結婚証明書に二人でサインしたあとは、誓いのキス。
練習したハズなのに、ヴェールは上手く上がらずティアラに少し引っ掛かった。
やっぱ二人とも失敗ばかりでダメだなぁと、頭の中で笑いながらツマの唇に誓いをたてる。
ウエディングマーチと招待客の拍手の中、二人でバージンロードを歩く。
…やっぱ式挙げて良かったなぁ…と、ツマの横顔を見ながら思った。
写真を撮り、休む間もなく披露宴会場へ。
つづく
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