人形千喜と依代 第一章☆糸操家(つらあやけ)[1-10]
… 出来れば、いやというよりもむしろ入りたくない?
「…ね、猫さぁ〜ん、そこの綺麗な毛並をした、黒猫さぁ〜ん…。悪いことはしないからさ、その帽子、返してくれるかなぁ〜?」
まさに猫なで声で言ってみるが、猫は目をチェシャ猫の様に細めると、家の中に入って行った。
「……………………………………………」
― 依代は絶望のあまり、地面に拳を打ち付けたい気分だった。と共に、怒りがこみあげてくる。
「…あんの猫〜??ただじゃおかねぇ??他人の物取りやがって?」
依代は覚悟を決めると、門に歩み寄った。
「……さすがにインターホンくらいはあるよな?」
しかし、いくら門を調べても、インターホンらしき物は見つからない。
…ふと、門を見上げると、依代より頭一つ分ほどの場所に標識があるのを見つけた。
手書きなのだろうか、墨で名字が書いてある。
「えーっと、…よく見えないなぁ。いと、かな?糸………操り?って、もしかしなくても糸操?」
見間違いかと思い目を擦ってみるが、標識には確かに『糸操』と書いてある。― どうやらここが祖父母の家らしかった。
「…父さんって、金持ちのボンボンだったんだ?」
今は亡き父の意外な一面を見た依代であった。
「…ね、猫さぁ〜ん、そこの綺麗な毛並をした、黒猫さぁ〜ん…。悪いことはしないからさ、その帽子、返してくれるかなぁ〜?」
まさに猫なで声で言ってみるが、猫は目をチェシャ猫の様に細めると、家の中に入って行った。
「……………………………………………」
― 依代は絶望のあまり、地面に拳を打ち付けたい気分だった。と共に、怒りがこみあげてくる。
「…あんの猫〜??ただじゃおかねぇ??他人の物取りやがって?」
依代は覚悟を決めると、門に歩み寄った。
「……さすがにインターホンくらいはあるよな?」
しかし、いくら門を調べても、インターホンらしき物は見つからない。
…ふと、門を見上げると、依代より頭一つ分ほどの場所に標識があるのを見つけた。
手書きなのだろうか、墨で名字が書いてある。
「えーっと、…よく見えないなぁ。いと、かな?糸………操り?って、もしかしなくても糸操?」
見間違いかと思い目を擦ってみるが、標識には確かに『糸操』と書いてある。― どうやらここが祖父母の家らしかった。
「…父さんって、金持ちのボンボンだったんだ?」
今は亡き父の意外な一面を見た依代であった。
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