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「指人形」第1話

[682]  にしむら珈琲  2008-07-21投稿
「ねぇ、ねぇ」


「今日ね、森君が死んじゃったの」


急に何を言い出すのかと思えば、 どうやら妹のクラスメイトが亡くなったらしい。


「そうか、それは悲しいねぇ。」


「うん‥でも……。」

「でも?」

「……森君…………、」

何か言いたそうだが、言葉が詰まって、上手く言い出せないのか、
妹はうつむいて、黙り込んでしまった。

「どした?」

「……………森君。」

「だから森君がどうしたの!?」



「あっ」、
「見てお兄ちゃん!!」
「???!」

妹は窓から身を乗り出し、 何かに向かって指を指している。

「ほらぁ!」



「何?どうしたの!?」
妹の指の先には、明らかにこっちを見ている、人間がいた。

「誰?。」
「もしかして……。」


「違うよ、お兄ちゃん。」

「え?」


「森君のお父さんだよ。」




つづく

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