侍?
江戸の町にも浪人風情がやたらと増えてきている。お家断絶となって食いぶちを絶たれた侍が最近とみに多くなってきたという事だ。斬り合いしか能の無い侍が食っていくには、ちまちま楊枝作りや傘はりの仕事をこなす以外方法は無い。賭場や庄屋の用心棒は余程の腕前でないと務まらないのだ。大半が自己流の、型もなにもない、ただ出たら目に刀を振り回すだけの刀法というにはお粗末な腕しかないのだから仕方ないだろう。そもそも刀はしっかりした大人の男が扱うものだ。へっぴり腰のふやけた侍くずれなんぞに扱える代物ではないのだ。つい先日もそういう場面に出くわしたばかりだ。相手は丸腰の町人で、悪ふざけが過ぎたのか何か知らないが、ちょっと足を踏まれたくらいでいきり立ち、町人を表へ連れ出すとなん癖つけて金を要求する。町人が平謝り謝って得意になっていたが、野次馬を掻き分けてその町人の連れが現れるといきなり怯むのだから情けない。
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