雪の降る街 1
夢を見ていた。
凄く悲しい、切ない夢。
何一つ鮮明に覚えてることなんてないけど、僕(有賀誠)の頬を伝う涙だけがその夢の全てを物語っていた。
部屋の明かりをつけて青いカーテンを開けると、そこには雲一つない青空だけが広がっていて、さっきまで曇っていた僕の気持ちもほんの少しだけ晴れたような気にさせた。
窓を開けると朝の凜とした冷たい空気と小鳥の鳴き声が静まりかえった部屋をいっぱいにしてくれた。
季節は冬、12月上旬。
気温は日を追う事に下がっていき、いつ雪が降ってもおかしくないくらいの所まできている。
雪なんてただの水の固まりで、寒さに特別強いわけでもない僕にとっては迷惑この上ないもの……というのは嘘で子供の頃から変わらずに好きでいれているものの一つだった。
…いつの間にか無邪気に外で遊ぶ事がなくなり、いつの間にか大人びた意見を持つようになり、昔輝いていた夢もいつの間にかホコリをかぶって心の奥底にしまわれていた。
僕は来年で20歳になる。
世間的に見ても立派な大人となるわけだが、違和感も不安も抱かないまま僕はただ毎日を過ごしていた。
その日も退屈な大学の講義を終え高校、大学で知り合った3人の友達と遊ぶ予定だった。
友達の講義が誠よりも遅くにはいっていたため、誠はいつもと同じように学食でレポートをやることにしている。
講義が終わる時間は6時。
誠が学食についてレポートをやりだしたのは4時を過ぎたころ…。
不意に辺りの音が消えた気がして下ばかり見ていた顔をあげてみると、誠の目の前に一人の女の人がいた。
雪のように白い肌に大きな瞳、黒くて長い髪は後ろで一本にまとめているだけだが、それでも不自然なくらい上品に見えた。
見たその瞬間からどこかで会ったことがある人だとわかったけど、どんなに記憶を探っても結局彼女のことはわからなかった。
不意に、彼女が言った。
「…やっと会えた。」
その一言を聞いた所で僕の記憶は途切れていた。
凄く悲しい、切ない夢。
何一つ鮮明に覚えてることなんてないけど、僕(有賀誠)の頬を伝う涙だけがその夢の全てを物語っていた。
部屋の明かりをつけて青いカーテンを開けると、そこには雲一つない青空だけが広がっていて、さっきまで曇っていた僕の気持ちもほんの少しだけ晴れたような気にさせた。
窓を開けると朝の凜とした冷たい空気と小鳥の鳴き声が静まりかえった部屋をいっぱいにしてくれた。
季節は冬、12月上旬。
気温は日を追う事に下がっていき、いつ雪が降ってもおかしくないくらいの所まできている。
雪なんてただの水の固まりで、寒さに特別強いわけでもない僕にとっては迷惑この上ないもの……というのは嘘で子供の頃から変わらずに好きでいれているものの一つだった。
…いつの間にか無邪気に外で遊ぶ事がなくなり、いつの間にか大人びた意見を持つようになり、昔輝いていた夢もいつの間にかホコリをかぶって心の奥底にしまわれていた。
僕は来年で20歳になる。
世間的に見ても立派な大人となるわけだが、違和感も不安も抱かないまま僕はただ毎日を過ごしていた。
その日も退屈な大学の講義を終え高校、大学で知り合った3人の友達と遊ぶ予定だった。
友達の講義が誠よりも遅くにはいっていたため、誠はいつもと同じように学食でレポートをやることにしている。
講義が終わる時間は6時。
誠が学食についてレポートをやりだしたのは4時を過ぎたころ…。
不意に辺りの音が消えた気がして下ばかり見ていた顔をあげてみると、誠の目の前に一人の女の人がいた。
雪のように白い肌に大きな瞳、黒くて長い髪は後ろで一本にまとめているだけだが、それでも不自然なくらい上品に見えた。
見たその瞬間からどこかで会ったことがある人だとわかったけど、どんなに記憶を探っても結局彼女のことはわからなかった。
不意に、彼女が言った。
「…やっと会えた。」
その一言を聞いた所で僕の記憶は途切れていた。
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