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夜より暗いもの

[136]  サリー  2008-07-24投稿

涙さえでなかった。私の心はまるでぽっかり穴があいたみたいになって、「このまま私はどこへ行くんだろ」とこの状況に似合わないことを能天気に思った。


「そういうわけだから、今までありがとう陽子」


「弘樹待って、私別れたくない」


すがるような気持ちで声をかけると、困った顔をした弘樹から見つめられた。正直、こんな顔をされるなんて思わなかったから、胸が苦しい。というか胃が痛い。


「ごめん」


最後に聞いた弘樹の言葉は、このたった三文字。


半分信じられないのと半分信じたくないのとで、もう一度「弘樹」と呼びかける。けれど弘樹は無言のまま私の車を降りて、マンションの方へ歩いていった。弘樹が二階にある自分の部屋に入ってしまうと、やっと涙がこみ上げた。


夜のせいだろうか。辺りが暗い分、思考がマイナスになるものだ。


このまま私はどこへ行くのか今はまだ分からない。


弘樹との思い出を思い出すことしかできない。

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