花冠2
銃口の先には呆然と立ち尽くす少女がいた。両手にはいっぱいの花を抱えている。まるで花の化身のような可憐な少女だった。
少女の瞳に怯えの色が浮かんでいるのを見て、旅人はすぐに銃をしまった。
両手を挙げ、ひらひらしてみせると、ほほ笑みながらこう言った。
「失礼。狼でも飛び出してきたのかと思ってね。恐がらせて悪かった。ほら、もう何も持っていないから安心しておくれ」
旅人の態度に安心したらしく、少女は強ばっていた体からふっと緊張を解いた。そして花びらが綻ぶよいな笑顔で、
「私の方こそ驚かせちゃってごめんなさい。あなた見たところ旅の人ね。よかったら家でお茶でもいかが?これも何かの縁だし、旅のお話でも聞かせてくださらない?」
少女は優しくも溌剌とした声でそう言った。
これも何かの縁。その言葉に旅人もうなずいて、花畑のすぐ後ろにある小さな煉瓦造りの家に入った。
少女は摘んできた花をそっとテーブルの上において、お茶を入れるためにキッチンへ向かった。
すでに椅子に座らされている旅人は、少女の背中を見送った後、テーブルに置かれた作りかけの花冠とブーケに目を留めた。純白の花が清楚に輝いている。
少女の瞳に怯えの色が浮かんでいるのを見て、旅人はすぐに銃をしまった。
両手を挙げ、ひらひらしてみせると、ほほ笑みながらこう言った。
「失礼。狼でも飛び出してきたのかと思ってね。恐がらせて悪かった。ほら、もう何も持っていないから安心しておくれ」
旅人の態度に安心したらしく、少女は強ばっていた体からふっと緊張を解いた。そして花びらが綻ぶよいな笑顔で、
「私の方こそ驚かせちゃってごめんなさい。あなた見たところ旅の人ね。よかったら家でお茶でもいかが?これも何かの縁だし、旅のお話でも聞かせてくださらない?」
少女は優しくも溌剌とした声でそう言った。
これも何かの縁。その言葉に旅人もうなずいて、花畑のすぐ後ろにある小さな煉瓦造りの家に入った。
少女は摘んできた花をそっとテーブルの上において、お茶を入れるためにキッチンへ向かった。
すでに椅子に座らされている旅人は、少女の背中を見送った後、テーブルに置かれた作りかけの花冠とブーケに目を留めた。純白の花が清楚に輝いている。
感想
感想はありません。