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年下の彼 ? 同棲

[497]  マリリン  2008-07-25投稿
「同棲しない?」突然、思い付いたように理子の口からその言葉が洩れた。 「俺は、きちんと結婚してから、君と暮らしたいんだ」 年下なのに、哲也は意外と古風な考えを持つ男だった。

「どうして結婚の制度が、この社会にはあるんだろう?」とぼんやり理子は考える。
男女が、一緒に暮らしても、そこに子供が誕生しなければ結婚という形態を、とる必要がないのではないか?

正式に婚姻の形をとっていない場合、生まれてきた子供に、父親としての義務を果たす男性が何人いるだろう。結婚とは、弱くて、気持ちが変わりやすい人間を縛るための制度なのかもしれない。
セックスは、その置かれた状況で、全く正反対のものに変化する象徴だと理子は思う。善と悪、美なるもの、醜悪なるもの、祝福されるもの、さげすまれるもの…

不倫の場合は、これ以上醜い行為はないもののように言われ、それが正式な結婚となると、美しい愛の結末となり世間からも祝福を受ける。正妻、愛人、風俗嬢……
これらの女性に対する評価も、彼女たちの置かれた地位でのセックスを、世間は批評しているのだろう。結婚は、セックスの果ての新しい生命の誕生という場面で、一番、難解な問題をはらんでくるのではないかと、理子は考える。
だから、同棲も一昔前だと、親が怒り心頭に達するほどのふしだらな行為であり、世間からも、手酷くバッシングを受けたものである。
このように光の当て具合で、その様相を、全く異にするものに、理子は心を奪われ、世間の人間が、そのことに何も意を介さないように見えるのが、彼女は不思議だった。

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