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エリザベスドール(4)

[696]  ぐうりんぼ  2008-07-25投稿
或る日…、

ルークは学校の校長室に呼ばれた。

校長室には校長先生や担任の先生の他に、立派な身なりをした上品な老紳士がいた。

老紳士は丁寧な挨拶を済ませると、話しをした。

「君がルーク・ハリー君だね?」

「そうですが…、貴方は?」


校長先生が説明する。

「こちらはバーソロン財団の会長アースル・バーソロン様で、この学校にも多大な寄付や援助をされている御方よ」

「それはどうも、失礼しました」

大変なゲストの前にルークは思わず、緊張してしまう。

「今日は、あなたに会う為に見えられたのよ」

「僕に何か?」

「君はこの前、ライン通りのA骨董屋で人形を買っただろう?
エリザベスと言う名前の等身大の人形だ」

「買いました。でもどうしてそれを?」

「実は私は、その人形をずっと探していたんだ」

「探していた?」

アースルは1枚の用紙を見せた。

人形エリザベスの所有者である事の公的証明書である。

「あの人形は今から亡くなった我が娘の形見として大事にしていた。
ところが5年前に家屋敷が火災に遭った際に何者かに盗まれてしまった。
私はあらゆる手を尽くして探したが見つからなかった。
しかし最近になって、人形は色んな経緯を得てA骨董屋に売られていた事が分かった。
勿論、君が人形を買った事もね」

「そうですか。人形を…返して欲しいって事ですね…?」

戸惑うルーク。

担任のニック先生が話しかける。

「迷う事ないだろう? その人形を持ち主に返せばイイだけの話しだ」

「君が支払った代金は、私の方から返す。
是非、人形を返して欲しい」

「すみません。実はあの人形、盗まれてしまったんです」

「何だって!?」


つづく

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