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エリザベスドール(5)

[686]  ぐうりんぼ  2008-07-27投稿
ルークは申し訳なさそうな表情で事情を話した。

勿論、コレは…ルークが咄嗟に思いついたウソ。

「犯人の手がかりは?」

アースルからの質問に

「まだ…今のところは」と適当に答えた。

─人形が盗まれた─

アースルはがっくりと肩を落としてしまった。

ルークの方はウソを付いてしまって、ドキドキした気分になっている。

「…」

ニック先生は怪訝な表情でルークの様子を見ていた。

迎えに来ている車に乗り込むアースル。

校長先生たちやルークが見送りに玄関まで出ていた。

「もし何か分かったら、ココに連絡をしてくれたまえ」

「分かりました」

ルークはアースルから名様を受け取った。

走る去る車。

ニック先生が疑いの目で話しかけて来る。

「お前、あの方にウソ付いていないだろうな?」

「つ、付いてませんよ」

「本当かァ?」

「僕を、疑っているんですか?」

「お前って、何考えているか分からんから」

「だからって」

「ま、イイ。何か分かったら連絡しろよ」

立ち去るニック先生。

ルークはまだ、ドキドキしている。

この夜、ルークはエリザベスの前で誓った。

「あの老紳士には悪いけど…、コイツは絶対に渡さない」



つづく

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