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夏恋 2

[189]  14歳  2008-07-28投稿
一人の女とある男との蜂蜜に浸けた檸檬のような甘酸っぱい一夏の恋物語。

もし本当に神がいるなら私にこんな素敵な物語を授けてくれれば良かったのに。
神が私に与えたのはアスファルトも溶け出しそうなこの暑さだけである。それだけならまだしも神はなんと私から彼女と自転車を奪った。(彼女なんかいたことないのだが、私がモテないのはきっと神様のせいなのである。間違いないのである。)

さて、問題は自転車がないこの状況で近い将来カレーになるはずの食材達を我が家までどうやって持って帰るかだ。この暑い中、小一時間荷物を持って歩くなどまっぴらゴメンである。

私が解決策を練りながら愛車を探し回っていると、一つの人影が近付いてきた。
「何かお困りですか?」
愛車探しに夢中になっていた私は、予想以上に美しいその声に少し驚いた。
「え、あ、あの、自転車がですね」
振り向いたらあまりにもその女性が可愛らしかったので私は緊張してどもってしまった。
「自転車がどうかされたんですか?」
小首を傾げたその彼女は私の心の臓を鷲掴んだ。夏用に短く揃えられた髪型、恐らく店の制服であろう可愛らしいエプロン。そして私を真っ直ぐ見つめる黒い瞳。一言でいうと彼女は私の「タイプ」だった。
「ここに停めてあったはずの私の自転車がなくなってしまったのです」
危ない危ない。昨日の今日で恋に落ちるなどそんな軽い男なのか、私は。落ち着きを取り戻してから私はそう答えた。
「まぁ!それは大変です!では、早速探しませんと」
前言撤回、読者諸君よ。私のことを軽い男とでも何とでも呼ぶよい。両手を口の前で合わせて私以上に困った顔をする彼女を見て私は彼女に惚れた。所謂一目惚れというやつだ。
しかし、私はこう見えても紳士のはしくれ。彼女の好意は嬉しいが手間をかけさせる訳にはいかない。
「いえいえ、お気持ちは有難いですがそんなの悪いですよ」
よし、完璧だ。この上ない程紳士的である。だが、彼女は彼女でこの上ない程淑女的だった。
「困った時はお互い様です。私にも探させてください。情けは人のためならずというでしょう」
そう言って彼女はにっこり微笑んだ。


あぁ、神様。今までひどいことばかり言ってごめんなさい。私と彼女を今日出会わせてくれてありがとう。


私はその日から有神論者となるのであった。

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