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ディフェンド? ”願い” 11

[366]  2006-05-28投稿
 「・・・!」
 「すいませんねぇ。ウチの娘が・・・」
 そこには、布団に横になっている老人の姿があった。
 「あの子はねぇ、ずっと1人で頑張ってきたんだ・・・。だから、叶えたい願いの1つや2つあるだろうに・・・」
 老人は軽く咳をして話を続けた。
 「このわしの体じゃ、その願いを叶えてもやれん・・・。今、あの子の願いが叶えられるんだったら・・・、あの子の願いが叶うまでそっとしといてやれんか?」
 と、言うと老人は激しく咳をした。
 「・・・」
 
 2人は静かにその部屋から出た。
 「どぅすればいいの?あのままじゃ・・・」 
 「どぅしようも無い・・・な」
 と、その時沙羅がドアから入ってきた。
 「あ・・・、さっきはゴメンナサイ」
 沙羅は下を向きながら言う。
 「私達こそ言いすぎちゃって・・・」
 「もしかして、あのドアを・・・」
 「あ・・・、ゴメンナサイ」
 「いいんです。でも・・・、父は病気で…」 
 沙羅は、悲しそうな顔をした。 
 「だから、これを使って父の病気を・・・」
 「そぅだったのか・・・」
 「ゴホッ・・・うぅっ・・・」
 「お父さんっ?!」
 沙羅は、奥にあるドアを思いっきり開けた。そこには、苦しそうに息をしている父親の姿があった。
 「お父さん!しっかりしてっ」
 沙羅は声をかけるが、一向に激しい咳は治まらない。
 「!」
 怜は、沙羅のとった行動にハッとして止めに入ろうとした。だが、啓吾は怜の肩をつかんだ。沙羅の手の上にあったのは闇夢玉だった・・・。
 「お父さん・・・」
 沙羅は、両手で包む込むようにして闇夢玉を持ちそして、目を閉じた。
 「沙羅さんっ・・・!」
 「お父さんの病気が治りますように」
 沙羅が、そぅ言うと闇夢玉はパッと光を放ち沙羅と父親を包んだ。

 

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