僕は君の未来を永遠(トワ)に。<58>
『そうだね、ユキちゃん早く元気になって、学校行こうね。みんなユキちゃんが早く学校に来てくれるのを楽しみにしているよ。』
そう言った僕は、ユキちゃんの枕元に吊してある千羽鶴に気付いた。
それをじっと見ていたら、何故か目頭が熱くなるのを感じた。
こんな小さな子が頑張っているのを見ていたら、僕の日常の苦悩なんて、全然問題じゃないと思った。
そんな事を考えていたら、また涙が出そうになるから、
『ごめんね。ちょっとトイレ。』
エリカちゃんとユキちゃんにそう告げて、僕はその場から離れた。
トイレから戻ったら、エリカちゃんとユキちゃんが、何やらヒソヒソ話していた。
戻って来た僕の気配に気付いたら、如何にもといった感じで、直ぐに話すのをやめてしまった。
『僕のいない間に何話してたの?!』
さりげなく探りを入れる僕に、エリカちゃんとユキちゃんは2人声を揃えて、
『別にぃ〜〜〜♪』
なんて言うから、
『ふぅん。そうなの。』
僕もわざと気にかけない振りを装った。
けれど、内心は凄く気になっていた。
* * * * * *
病院を出た僕達は、ゆっくり駅に向かって歩いていた。
『ねぇ未來。前世って信じる?!』
何の前触れも無く、いきなりの質問に僕は一瞬考え込んでしまった。
『よく分からないけど、そういうのってあると思う。僕は信じるよ。』
そう答えた僕に、彼女はそれで納得がいったのか、それ以上の事は何も質問せず、この話はこれで終わってしまった。
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