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エリザベスドール(12)

[627]  ぐうりんぼ  2008-08-01投稿
「オメェ、事件について何か心当たりあるんじゃねえのか?」

学校でルークはディックから激しく問い詰められた。

大事な仲間が殺されて、ディックもティムも大変なショックを受けているのだ。

「別に、ないよ」

「隠すなッ! 正直に言えよッ!」

「本当だったら!」

「ルーク、オメェが犯人じゃねえのか?」
と言ったのはティム。

「人聞きの悪い事言うなッ! 何で僕が!?」

ディックはルークに顔を近付け、指を差しながら言う。

「動機は十分、あるじゃねえか。ジミーの野郎、俺の人形趣味の事にしつこく口を出して来やがる。しかも、俺の愛するエリザベス人形を勝手に処分しちまった。だから殺った。そうだろう!?」

「違う! とんだ言い掛かりだッ!」

ディックはカッとなって、ルークの胸ぐらをら掴んだ。

「じゃあ、誰が犯人なんだよ!?」

「知らないよ!」


「知らないワケねえだろう!?」

「知らないったら!」

「テメェ、イイ加減にしろよ!」

なかなか真実を言わないルークにディックの怒りは治まらない。

ルークをブン殴ろうと拳を挙げた。

直前になって、ディックは誰かに腕を掴まれてしまう。

「やめなさいよディック!!」

横から一段と大きな声でディックを制止したのは、1人の女の子である。

「邪魔するなシェリー!俺は、事件の真相が知りてえんだ!」

シェリーはディックに詰め寄る。

「だからと言って、彼を責めたって仕方がないでしょう!?」

「何を言ってやがる!
コイツは最後まで、ジミーといたんだぜ!
絶対、コイツが犯人に決まってる!」
と、ティムが反論する。

「彼は知らないって言ってるじゃない?
それでも彼を問い詰めると言うんだったら、私が承知しないわよ」

鋭い眼差しでジッとディックを見つめる女の子。

「ディック、もうよそうぜ。シェリー怒らせると、怖いからな」
「チッ!」

ティムに促されて、ディックは立ち去った。


つづく



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