先生、あのね・・?
そんなある日の午後だった。HRの時に先生がこんな事を言った。「誰か放課後暇な奴、資料整理手伝ってくれ」みんな声を揃えて拒絶している。先生が嫌いなわけじゃないんだろうけど、きっと面倒臭いんだと思う。先生と資料整理・・やりたい!なんて簡単に言えたらどれだけ楽だろう。私は下を向いたまま溜め息をついた。引っ込み事案な性格を呪ったのはこれで何回目だろう。その時、いつも私を笑い者にしている今井さんが手を上げた。「千夏(ちか)さんにやって貰った方がいいと思いま〜す!」猫撫で声を出して先生を見上げている。もちろん私と今井さんは、名前で呼び合うような関係じゃない。要は面倒な事を私に押し付けておもしろがっているんだ。みんながこっちを見ている。理由もなく顔が赤くなるのが判る。それを隠すように私は更に頭を下げた。「おいおい、先生は自分から手伝ってくれる人を捜してるんだぞ」私の異変に気付いたのか、みんなの注意を私から反らしてくれた。私、やりたくないわけじゃない。ううん、むしろもっと先生といられるのなら・・・。今ならやりたいと言っても変じゃない。今井さんに押し付けられた振りをして、みんなの為に嫌な仕事を任される振りをして、自然に先生に近づける。
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